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【おそ松さんR18】君がため

第33章 誰よりも君が好き《トド松END》




トド松くんに彼女ができたと告白された日から、トド松くんは、毎日のように出かけるようになった。

たぶん、彼女さんと会っているんだとおもう。

他のみんなは、そのことを知らないのか、知っているのか、わからないけど、特にトド松くんに何か言ったりはしなかった。


そんなことが1週間ほど続いた、ある日のこと。


おそ松「なあ、さくら。ちょっと散歩行かねー?」


唐突に、おそ松くんに散歩に誘われた。


おそ松くんからどこか出かけようって言ってくるなんて、珍しい。

おそ松くんは、何か用事がない限り、自分からは外に出ようとしない。ちなみに、パチンコと競馬は、その『用事』に含まれている。


「どうしたの、珍しいね。おそ松くんが散歩なんて」

おそ松「んー、なんつーの? 今日はさくらと出歩きたい気分?」

「……そうなんだ。いいよ、支度するからちょっと待ってて」


急いで部屋着から私服に着替えて、髪の毛を適当になおす。

そして、おそ松くんとふたり、連れ立って家を出た。


今日は、少し風が冷たい。

太陽が出ていてあたたかいはずなのに、風があるせいで肌寒く感じる。


おそ松「……あー、なんか寒いね。上着羽織ってくればよかったかもな」

「そうだね。…あ、公園で何かあたたかい飲み物でも買う?」

おそ松「ん、そだねー。さくらのおごりなー」

「もうっ、わたしお金もってないし」

おそ松「うそうそ。それくらい奢るって」


わちゃわちゃと騒いでいると、あっという間に、公園についてしまった。

おそ松くんは、わたしをベンチに座らせて、近くの自動販売機に飲み物を買いに行ってしまった。


ベンチに腰をおろして、ふう、と息をつく。

やっぱり、1人になると考えちゃうな……トド松くんのこと。


トド松くん……やっぱり、もうわたしのこと好きじゃないのかな。

それはいいことのはずなのに、なんだか寂しい。

ほんと……嫌な女だ。あっちもほしい、こっちもほしい、と色んなものに手を出して……トド松くんの気持ちには応えられなかったくせに。


おそ松「おまたせ〜。ココアでよかった?」


おそ松くんの声で我に返る。

顔をあげると、おそ松くんが、わたしにホットココアの缶を差し出していた。



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