第32章 期待《トド松END》
「そ、そうかな…?」
トド松「うんっ…その白いワンピース、すごい可愛い。僕、そういう服着てる女の子、好きかも」
……お? これは、本当にそう思ってくれてる、かも?
だとしたら、このワンピースを着てきて正解だ。
トド松「じゃ、行こ♪」
こうして、わたしとトド松くんは、連れ立って駅前の居酒屋さんに向かった。
***
居酒屋につくと、トド松くんは、「さくらちゃん、最初なに飲む?」とわたしのほうへメニューを見せてきた。
……飲みに来るのなんて久しぶりすぎて、何をたのんだらいいか分からない。
「と…トド松くんはなに頼むの?」
トド松「僕? 僕はね〜……これ! カシスオレンジ!」
えっ……カシオレ?
トド松くん、やっぱり女子力高い……
飲むお酒まで女の子みたいだなんて……
「じゃあ、わたしもカクテルにしようかな……あ、トド松くん、何かおすすめとかない?」
トド松「おすすめ?」
「うん。わたし、あまり飲みに来たりしないから、どういうのが美味しいのかわからなくて……」
すると、トド松くんは、メニュー表を眺めながら、うーんと首をひねった。
トド松「そうだなあ……コークハイとか?」
「コークハイ……ってことは、焼酎のコーラ割り?」
トド松「ううん。焼酎じゃなくて、ウイスキーのコーラ割りだよ。ベースはウイスキーだけど、コーラの味が強いから、甘くて美味しいよ♪」
「そうなんだ。じゃあ、わたしそれにする」
こうして、わたしはコークハイ、トド松くんはカシスオレンジを注文した。
運ばれてきたお酒は、どこからどう見てもただのコーラだったけど、ひとくち口にふくむと、ほんのりウイスキーの味がして、とっても美味しかった。
「ん〜♪ これ、おいしいね」
トド松「でしょでしょー? よく女の子を潰してお持ち帰りするためのお酒として使われるらしいよ〜。僕は使ったことないけど」
「へえ〜、そうなんだ。確かに、ウイスキーって度数高いし、甘くて美味しいからどんどん飲めちゃうし、すぐ酔っぱらいそう……」
トド松「そういえば、さくらちゃんが酔っぱらったとこって、見たことないかも……」
「あ…ほんと? わたし、そこまで酔いつぶれたり吐いたりとかはしないから、安心して」