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【おそ松さんR18】君がため

第30章 はんぶんこ《十四松END》




「はーっ、疲れたー! けど楽しかったね!」


帰り道、さくらちゃんは、満足げに言った。

さくらちゃんが楽しかったと言ってくれて嬉しいし、何より、ぼくもさくらちゃんと一緒にいれて楽しかった。

もっと……さくらちゃんを知りたいと思った。


「あっ、十四松くん、見て! 今川焼きだよ!」


さくらちゃんが指差したほうを見ると、そこには、屋台店があって、いろんな種類の今川焼きが売られていた。


十四松「さくらちゃん、今川焼き好きなの?」

「うん、大好き。あんこもいいけど、クリームのが特に好き」

十四松「そっかあ〜。ぼくもクリーム大好きだよっ!」


うちの兄弟は、みんな今川焼きが好きで、母さんが半端な数をもらってきたりすると、いつも取り合いになる。


「ね、十四松くん。もうすぐ夕飯だからまるまる1個食べるのはきついけど、半分くらいなら食べれる気がする」

十四松「じゃあ半分こにするー?」

「うんっ、ありがと」


今川焼きのクリームを1個買って、それを真ん中からきれいに半分に割った。

割った瞬間、今川焼きからほかほかと湯気がたちのぼった。


「わーっ、おいしそう…!」

十四松「はい、こっちのおっきいほうさくらちゃんにあげる!」

「えっ、いいの? やった、ありがとう」


さくらちゃんは、ぼくの手から大切そうに今川焼きを受け取ると、それをはむはむと少しずつ口に入れた。


幸せだな、と思った。


さくらちゃんとこんなふうに学校の外で2人で過ごせて、

今川焼きを半分こして食べて、

まるで、彼氏と彼女みたいだ……


ぼくは、半分こにした今川焼きを、一気に頬張った。

クリームのあまーい味が、口いっぱいに広がった。




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