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【おそ松さんR18】君がため

第30章 はんぶんこ《十四松END》




ゲームセンターにつくと、さくらちゃんは、店頭にあるUFOキャッチャーに駆け寄った。

そのUFOキャッチャーの景品は、女の子が好きそうな可愛い色とりどりのくまのぬいぐるみ。


「わーっ、かわいい! わたし、このシリーズ好きなんだよね!」


はしゃぐさくらちゃんが可愛くて、絶対にこのくまを取らなきゃ!と思った。

ぼくは、鞄から財布を出して、UFOキャッチャーに小銭を投入した。


「えっ、十四松くん!? なにしてるの?」

十四松「だってさくらちゃんこれ欲しいんでしょー? ぼく、UFOキャッチャーめちゃくちゃ得意だから、取ってあげるよ!」

「う、うそ……嬉しい! ありがと、十四松くん!」


さくらちゃんに見守られながら、ボタンでクレーンを操作する。

前に一松兄さんに教えてもらったやり方で、クレーンを動かしていく。

そして。


「うそ!ほんとに取れた…!! 」


落ちて来た黄色いくまのぬいぐるみを取って、さくらちゃんに手渡す。


十四松「はい、さくらちゃんっ」

「ありがとう、十四松くん! ほんとに取れると思わなかった…!」

十四松「えへへ〜。だから言ったでしょ? ぼく得意だって」

「うん…ほんとに上手なんだね。びっくりした……ありがとう」


さくらちゃんは、取ってあげた黄色いくまの頭を撫でて、嬉しそうに笑った。

この笑顔のためなら、たとえ得意じゃなくても、何万円払っても取ってあげたと思う。

それくらい、さくらちゃんの笑顔はかわいかった。



それから、ぼくたちは、ゲームセンターの中にあるゲームを片っ端からやった。

さくらちゃんは、ゲームが下手くそで、でも負けず嫌いだから、もう1回!あと1回!これで最後!と言いながら、たくさんお金を消費していた。

……なんか、ちょっと知らない一面を知れてうれしいかも。


だって、きっと、このさくらちゃんの顔は、カラ松兄さんも知らない顔だと思うから。



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