第30章 はんぶんこ《十四松END》
その日の放課後、ぼくとさくらちゃんは、連れ立って教室を出た。
あ〜〜、なんか幸せだなー、こういうの!
カラ松兄さんはこの幸せを毎日あじわっているのかと思うと、なんだか胸の奥から黒い感情がふつふつとわきあがってくる。
……いやだな、ぼく。カラ松兄さんに嫉妬したって、どうにもならないのに。
「ねえ、十四松くん。遊びに行くって言っても、具体的にはどこに行くの?」
十四松「えっ! えーっと、えーーーーっとね……」
正直、なんにも考えてなかった!
でも、こういうときに、彼女を引っ張って歩く男の人のほうがさくらちゃんは好きそう。
十四松「えっとね! ゲームセンター! ゲームセンター行こ!」
「ゲームセンター? 十四松くんも、そういうとこ行くんだ?」
十四松「うん、行くよー! 一松兄さんとよくストリームファイト?ストリートファルコン?の対戦してる!!」
「そうなんだ…! いいね、楽しそう。行こ行こ!」
どうやら、さくらちゃんも乗り気になってくれたみたい。良かった〜。
そして、ぼくたちは、ふたりで学校を出て、駅前のゲームセンターに向かった。