• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君がため

第28章 守りたい《十四松END》




そのあと、十四松くんは、安心したのか、わたしを抱き枕にしてすうすうと寝息をたて始めた。

やっぱり、怖い夢を見て不安になったのかもしれない……


そっと、眠る十四松くんの髪の毛にふれる。


柔らかくてさらさらの黒髪。

手を櫛にして梳くように撫でると、十四松くんは、気持ちよさそうに笑った。

今度はいい夢見てるかな……


ふと、十四松くんの左手に目がいく。

左手の手首に、痛々しい切り傷がいくつもある。

まだ、傷痕は消えないみたいだ。


「十四松くん……」


結局、わたしはこの人の力になれていない。

あんな偉そうなことを言っておいて……十四松くんの力になりたいなんて言っておいて……

もちろん、その言葉は嘘じゃない。わたしの本当のきもちだ。

でも……


ふーっと息をついて、十四松くんの左手を取る。

そして、その傷痕を、つーっと指先でなぞった。


……十四松くん、まだ話してくれないのかな。

十四松くんが自分の身体を傷つける理由を。

十四松くんを苦しめているものを。

十四松くんの心の中を。


/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp