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【おそ松さんR18】君がため

第28章 守りたい《十四松END》




???「さくらちゃん……ね、さくらちゃん……」


名前を呼ばれて目をひらくと、辺りはまだ真っ暗だった。

今、何時だろう……

てか、こんな時間に、だれ……?

またトド松くん? もう……トイレくらい一人で行ってよ。


心の中で悪態をつきながら、声がした枕元を見る。

……と、そこにしゃがんでいたのは、トド松くんではなかった。


「十四松くん……?」


そこにいたのは、十四松くんだった。

十四松くんは、いつもカパッと開けている口を、珍しく閉じていた。

薄暗がりの中だったけれど、ちゃんと見える。十四松くんは、すごく寂しそうな顔をしていた。


「どうしたの、十四松くん……? 何かあったの?」

十四松「ううん……何もないんだけど、なんか眠れなくなっちゃって」


十四松くんが眠れないだなんて、めずらしい。

いつもは、誰よりも大きな口を開けて、誰よりも大きないびきをかいて爆睡しているのに。

もしかして、怖い夢でも見たのかな……?


「こっち、来る?」


わたしは、掛け布団を少し持ち上げて、十四松くんに隣に来るように促した。

すると、十四松くんの顔に、ぱーっとお花が咲いたような笑みが広がった。


十四松「わーいっ!! やったー! ありがと、さくらちゃん!」

「わかった、わかったから…! みんなまだ寝てるから静かにね」


しーっと人差し指を唇にあてると、十四松くんは、はっとしたように口をつぐみ、わたしの真似をして、しーっと人差し指を唇にあてた。

……子供みたいでかわいい。


十四松「じゃあ、お邪魔しまーす」


十四松くんは、わたしの布団にもぐりこんでくると、わたしの背中に腕をまわしてぎゅーっと抱きついてきた。


十四松「さくらちゃん、あったかーい……」

「ふふ、そうかな? 十四松くんだってあったかいよ?」

十四松「ほんとっすかー? じゃあ、お揃いだねっ!」

「うん、お揃いだっ」


鼻と鼻が触れてしまいそうなほど近い距離で見つめ合い、くすくすと笑い合う。


さっきの十四松くんの顔を見たときは、さすがに心配になったけど、この様子だと、大丈夫そう……かな?



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