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【おそ松さんR18】君がため

第3章 誰にもわたさない【トド松】




ぎゅっと。わたしは、トド松くんの腕に抱きしめられていた。


トド松「なんでもないなんて、嘘だよね? だって、さくらちゃん、こんなにボロボロでつらそうにしてる」

「トド松くん……」

トド松「そんなに僕に言いづらいことなの?兄さんたちに何かされた?」

「あ……」


そっか。トド松くん……分かってるんだ。


トド松「いいよ、言って? 僕、傷ついたりしないから」

「う……トド松くん……ううっ」


そのとき、何かが決壊したかのように、涙が溢れ出した。

わたしは、トド松くんの胸にしがみついて、嗚咽した。


どのくらいそうしていたか分からない。

涙が止まったとき、窓から見える空は、夕焼けで真っ赤に染まっていた。


トド松「落ち着いた……?」

「うん」

トド松「で、何があったのか話してくれる気になった?」

「うん……」


わたしは、ぽつぽつと昨日からの出来事を話した。

トド松くんは、それを、動揺したりせずに真面目な顔で聞いてくれた。

ここでトド松くんがショックを受けたような反応をしたなら、最後まで話すのをやめようと思ったけれど、結局促されるままにぜんぶを話してしまった。


トド松「……それじゃあ、一松兄さんも、おそ松兄さんも、十四松兄さんも、さくらちゃんのことが好きで、3人にむりやり襲われたってことか」

「うん……」

トド松「それって、最後までされたの?」

「ううん。最後まではされなかったけど……」

トド松「ふうん、そっかあ……よかった」

「え? なにが良かったの?」

トド松「ううん? さくらちゃん、まだ処女のままなんだなーって」


トド松くんは、ふふ、と小さく笑った。

なにが可笑しいのか、何がよかったのか、さっぱりわからないけど、

とにかく、今のトド松くんは様子がおかしいということだけは分かる。


「トド松くん……あなた、まさか……」

トド松「兄さんたち、ひどいよね。抜け駆けはしないって約束だったのに、3人も約束を破る人がいるなんて」

「え……な、なに、抜け駆けって」

トド松「さくらちゃんに手出したんでしょ? 立派な抜け駆けじゃん。僕はずっと我慢してたのに」


トド松くんは、四つん這いになって、わたしににじり寄ってくる。

まずい……後ろが壁だから逃げられない。




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