第24章 救いを求めて《おそ松END》
わたしは、「うん」と答えて、おそ松くんがさっきまで座っていたスペースに座った。
そして、チョロ松くんが作ったであろう朝ごはんに舌鼓をうった。
と、そのとき。
『次のニュースになります。14日未明、東京都赤塚区の○×橋のたもとにて、男性の遺体が発見されました…』
テレビから、聞き慣れた地名と、物騒なワードが聴こえてきて、わたしたちは、一斉に箸をもつ手を止めた。
『男性の胸にはナイフで刺されたような痕があり、更に、顔を原型がなくなるほどにメッタ刺しにされていました。このことから、警察は、被害者に強い恨みを持った人間による犯行であると見て、捜査を続けると共に、被害者の身元特定を急いでいます…』
トド松「えっ、赤塚区の○×橋って……すぐそこじゃない?」
トド松くんが、震える声で言った。
トド松「……っていうか、昨日の夜、さくらちゃんと買い物に行ったとき、すぐ傍を通った……よね?」
一松「まじかよ……」
チョロ松「こわ! 良かったね、事件に巻き込まれなくて」
確かに、昨日、わたしとトド松くんは、○×橋の近くを通った。
あのとき、既に橋のたもとには遺体があったのだろうか。
そう考えると、寒気がした。
十四松「でもさでもさー、この遺体で発見された男のひとって、だれだかわかんないんでしょー??」
トド松「そうだね。顔面ぐちゃぐちゃに刺されてたって言ってたし…」
顔面をぐちゃぐちゃに……
想像するだけで、吐き気がしてきた。
チョロ松「さくらちゃんも気をつけなね? 犯人がまだこの辺りにいるかもしれないし」
トド松「ちょっと、やめてよ、チョロ松兄さん!」
女の子みたいに泣き喚くトド松くんを横目に、ふたたびごはんを口に運ぶ。
脳裏に浮かんだのは、昨晩、傘もささずにおぼつかない足取りで道路を歩いていたおそ松くんの姿……
なんでだろう……嫌な予感がする……
わたしの杞憂ならいいんだけど。