第24章 救いを求めて《おそ松END》
翌日、わたしが起きて居間に下りていくと、みんなは既に起きていて、朝ごはんを食べていた。
チョロ松「あ、さくらちゃん。おはよう」
一松「…おはよ、さくら」
十四松「おはよーっ!!さくらちゃん!!」
トド松「もう……遅いよ、さくらちゃん。おはよう」
カラ松「……」
みんながそれぞれの朝の挨拶を口にする中、カラ松くんだけが、わたしを無視してもくもくとごはんを口に運んでいた。
そして、口をひらかなかった人がもう一人。
おそ松くんは、箸をテーブルの上に置くと、「ごちそうさま」と告げて立ち上がった。
チョロ松「…ちょっと! 全然食ってないじゃん。どうしたの?」
おそ松「ごめん……今日ちょっと食欲ない。十四松、俺のぶんも食っていいよ」
いつもなら、「まじですかい!? やったーー!!」と喜びそうな十四松くんだけど、今日ばかりは流石におそ松くんが心配だったらしく、不安げにチョロ松くんのほうを見た。
チョロ松「あーー……そっか、まあ、そういうときもあるよね。十四松、食べちゃっていいよ」
十四松「うん……わかったー」
十四松くんは、おそ松くんの食事を自分のところに引き寄せて、ふたたび箸を動かし始めた。
「おそ松くん、大丈夫?」
居間を出て行こうとするおそ松くんに、すれ違い際にたずねる。
おそ松「うん……平気。さくらが心配する必要ねーから」
「う、うん……? そう。具合悪いなら、二階で横になってたほうがいいよ」
おそ松「……ありがと」
おそ松くんは、ぼそぼそと答えて、居間を出て行った。
トド松「今日のおそ松兄さん、なんか変だよねー。今日っていうか、昨日の夕飯のときからだけど」
十四松「おそ松兄さんがごはん残すなんて、珍しいよねー! 熱が40度あってもインフルエンザのときでも絶対にごはんだけは残さず食べてたのに」
そうなんだ……
確かに、おそ松くんがごはんを残してるのって、見たことないかも。
高校のころも、早弁したあとにお昼をもう一回食べるくらい食欲旺盛だったし。
「あとで何があったのか訊いてみるよ……」
チョロ松「うん、お願いね。さくらちゃん」
チョロ松くんは、彼の特徴の困り眉を更に下げて、言った。