第24章 救いを求めて《おそ松END》
「かっ…隠してること……?」
おそ松「アイツ……ほんとにただの友達?」
ぞくっ
悪寒が走り、背中を冷たい汗がつたった。
「……どういう意味?それ」
おそ松「もしかして、さくら、アイツのこと好きだったんじゃない?」
「……!!」
ダメだ。おそ松くんは、何もかも分かってる。
もう隠すことはできない。
「ご…ごめんなさい……亮は、確かにただの友達じゃなかった…」
おそ松「うん、わかってるよ? 元カレなんだろ?」
「う……うん……」
わたしは、頷いて、おそるおそるおそ松くんを見上げた。
おそ松くんは、なんとも言えない無表情でわたしを見下ろしている。
どうして、この人は何もかもわかってしまうの?
どうして、この人には敵わないの……?
やっぱり、この人からは一生逃げられない。
わたしは、そう思った。
昨日の夜、ちょっとでも心が揺らいだわたしがバカだった。
この人から逃げられるはずがないのに……
おそ松「……最初に言っとくけど、」
おそ松くんは、わたしの首筋に触れるだけのキスを落とした。
おそ松「俺たち以外の男に目移りしたら、許さないから」
「……っ」
おそ松「さくら、アイツに優しい言葉かけられてちょっと揺らいだっしょ? ダメだよ、俺たちから逃げようとしたりしちゃ」
「……おそ松くん」
おそ松「んー?」
「わたし……逃げないよ……」
わたしは、おそ松くんの背中に手を回した。
けっきょく、弱者は、強者にすがることでしか、生きていけないのだ。