第24章 救いを求めて《おそ松END》
亮「そっか、仲良しなんだね。じゃあ、とりあえず、僕はこのへんで。あとで連絡するね、さくら」
亮は、そう言って、お店を出ていった。
おそ松くんは、それを見届けると、わたしの手を引いた。
おそ松「それ、外のベンチで食おうぜ」
おそ松くんは、笑顔だった。
けれども、だからこそ、なんだか怖かった。
だって、てっきり、亮とのことを問いつめられるかと思ったのに。
なんで、こんな普通なの?
その普通の裏で、何か恐ろしいことを考えているような気がしてならない。
***
それから、わたしたちは、お店の外のベンチに並んで腰掛けて、クレープを食べた。
と言っても、クレープを食べたのはわたしだけ。
おそ松くんは、何も食べず、何をするわけでもなく、ただわたしをじっと見つめていた。
クレープを食べ終わってゴミを捨てると、おそ松くんは、もう家に帰ろうと言い出した。
いつもなら、次はあそこに行こう、その次はあそこね、その次は……と延々と色んな場所を連れ回されるのに。
やっぱり、さっき亮と話していたことを怒っているのだろうか。
でも、元カレだということまでは聞かれていないし、きっと大丈夫なはず。
おそ松くんだって、ただ偶然再会した地元の同級生と話がはずんでいただけだと、理解してくれているはず。
わたしのその甘い考えが、あんなことを引き起こすなんて、
そのときは思ってもいなかった。