• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君がため

第22章 もっと構って《おそ松END》




翌日は、空にはどんよりとした鈍色の雲がたちこめ、今にも雨が降り出しそうな天気だった。

こんな日は、どこにも出かけたくない。

それは、6つ子たちも同じだったらしく、めずらしく6人全員が家にいた。


しかし、こうも大勢の人間が家にいるとなると、やっぱり居場所の確保が大変なわけで……


「……わたし、二階に行ってるね」


わたしは、居間で思い思いにくつろいでいるみんなに一声かけて、二階に向かった。

やっぱり、男の子の中に女の子一人という状況は、いつになっても慣れない。

高校のころはそんなに気にならなかったんだけどな……わたしが大人になったということなのだろうか。


そんなことを考えながら、寝室のふすまを開ける。

……と、そこには、赤いつなぎの先客がいた。


「おそ松くん……ここにいたの」


居間にいないと思ったら、こんなところにいたんだ……


おそ松くんは、手に持っていた煙草をふーっとふかして、わたしの顔を見た。


おそ松「あ、もしかしてこの部屋使う?」

「使うっていうか……なんとなく居間は居心地がわるくて」

おそ松「あ…そなの。てっきり、今からここで一松とおっ始めるのかと思ったよ〜」

「えっ…!? そっ、そんなわけないじゃん!」


いきなり何を言い出すのかと思えば…!


おそ松くんは、八重歯を見せて笑うと、とんとん、と自分の隣を手で叩いた。


おそ松「おいで。こっち座りなよ」

「う、うん……ありがとう」


まさか隣に座ってなんて言われると思っていなくて、声がうわずってしまった。

促されるままにおそ松くんの隣に腰をおろす。


「久しぶりだね……ふたりっきり」

おそ松「……ん? あー、そうかもな」

「おそ松くん、最近つめたいから……ちょっと不安だった」

おそ松「……」


わたしが素直に言うと、おそ松くんは、煙草から口を離して、わたしを覗きこんだ。


おそ松「なんで俺に冷たくされると不安なの?」

「だ、だって……」

おそ松「俺、期待しちゃうよ?」


おそ松くんは、身を乗り出し、わたしの唇に軽いキスを落とした。

ちゅ、と触れ合うだけのキスだったけれど、それだけで胸がじゅっと熱くなった。


/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp