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【おそ松さんR18】君がため

第20章 離れられない《一松END》




一松くんの手は、冷たくて、ひんやりとしていた。


「一松くん……」

一松「さくら……」


わたしたちは、そのまま、唇を重ね合った。


しっとりと重ねるだけのキスから、だんだんと深いものに移行していく。

何度も角度を変えながらキスを繰り返し、お互いを求め合う。


「…っはあ……ん」


息継ぎのひまもなく続けられるキスに、だんだん息があがっていく。

久しぶりのキスに、わたしも、一松くんも、興奮していた。


と、一松くんの手が、わたしの胸をまさぐった。


「ちょっ……ここ病院……っ」

一松「いーじゃん。声おさえてればバレないよ」


一松くんは、尚もわたしの胸をまさぐりながら、ヒヒッと笑った。


と、そのときだった。


がらり、と病室の扉がひらき、わたしたちは、反射的に離れた。

中に入ってきたのは、一松くんの担当の看護婦さんだった。


『あ、松野さん。面会時間、もうすぐ終わりますので……』

一松「……ん。わかりました」


一松くんは、冷静に答える。

それを聞いた看護婦さんは、わたしに一礼して、病室を出て行った。


「……ほら。危なかったじゃん」

一松「見られてないからオッケー。それより、さくら、今日泊まっていけば?」

「え……?泊まる??」


ここの病院は、手術やよっぽど病態が悪いときを除いて、患者以外の人間が寝泊まりするのは禁止されているはず。


「どうやって?」

一松「ベッドの中に隠れてればバレないよ……たぶん」

「えっ! だっ、だめだよ、そんなの!」

一松「……さくらは相変わらず真面目ちゃんだね」

「一松くんはどうしてそんなに不真面目になっちゃったの…。高校のころはあんなに真面目で秀才だったのに」

一松「僕は、もともと真面目じゃないしこんな人間だよ。あんたが気付いてなかっただけ」


そう言うなり、一松くんは、わたしの手を引いた。


「わっ…!」


手を引かれたわたしは、バランスを崩し、一松くんの上になだれ込んだ。


一松「…ほら。布団の中、入って」

「ええっ…だから、だめだって言って……」

一松「あっ、また看護婦さん来る。早くして」


一松くんは、半ば強引にわたしをベッドの中に引き入れると、上に掛け布団をかぶせた。

……苦しい。酸素が薄い。



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