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【おそ松さんR18】君がため

第19章 わたしの気持ち《一松END》




そのときだった。

玄関の扉がひらいて、「ただいまー」という声がした。

これは……カラ松くんの声。


「カラ松くんっ……!」


わたしは、玄関に向かって駆け出そうとした。

……が、それよりも早く、一松くんの手が、わたしの手首をつかみあげた。

両手首を壁におしつけられ、じっと正面から見つめられる。


一松「まって。まだ話おわってない…」

「っ……いやっ!放して…!!」

一松「……放さない」


一松くんは、あきらかに苛立ちのこもった瞳で、わたしを見下ろした。

と、そのとき。


カラ松「……ん? 何してるんだ、ふたりとも」


カラ松くんの声がした。


「……っ、カラ松くん!」


見ると、青いパーカーを着たカラ松くんが立っていた。

その姿を見ただけで、安堵から涙がこぼれそうになる。


わたしは、一松くんの手をむりやり振りほどき、カラ松くんの腕の中に飛び込んだ。


カラ松「…おっと。どうした、さくら。何かあったのか?」


カラ松くんは、戸惑いながらも、しっかりとわたしを受け止めてくれた。


「助けて、カラ松くんっ……一松くんがっ…一松くんが!」

カラ松「一松がどうかしたのか?」

「包丁で……わたしを刺し殺そうとしてきたの……!」

一松「……は?」


わたしの言葉に反応したのは、カラ松くんではなく一松くんだった。


一松「ちょっと待ってよ。僕がさくらを包丁で刺し殺そうとしたって……なにそれ」

「覚えてないの!? さっき、屋根の上でいきなり襲いかかってきたじゃん!」

一松「……意味わかんねーんだけど。さっきっていつ? 屋根の上ってなに? 僕、さっきまでずっと路地裏に猫の世話しに行ってたんだけど」

「……えっ?」


……どういうこと?

じゃあ、さっきの一松くんは……


カラ松「何が本当で何が嘘なのかはよくわからないが、」


カラ松くんは、わたしの肩を抱き寄せて、一松くんをまっすぐに見据えた。


カラ松「さくらはおびえてる。落ち着くまで、さくらには近づかないでほしい」

一松「…はっ、なんだよそれ……なんでおまえに命令されなくちゃなんねーんだよ」

カラ松「一松。さくらの気持ちをよく考えろ」

一松「……ッ」


カラ松くんの言葉に、一松くんは、悔しげに眉を寄せた。


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