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【おそ松さんR18】君がため

第19章 わたしの気持ち《一松END》




***


???「……さくら?」


この声は……一松くんの声だ。


???「え……どうしたの? 何があったの?」


一松くん……わたしを心配してる?


???「ねえ、さくらってば……しっかりして」


なんでそんなこと言うの?

だって……





わたしを殺そうとしたのはあなたでしょ……?





「う……っ、」

一松「あ……さくら。よかった、気がついた」


目をひらくと、そこに一松くんがいた。

心配そうな、戸惑っているような、そんな顔。


と、その瞬間。

さっきの出来事が、走馬灯のように頭の中を駆け巡った。


わたしは、一松くんと屋根の上にのぼって、

一松くんに、自分とカラ松くんのどっちが好きかと訊かれて、

それで答えられずにいたら、いきなり一松くんが包丁を取り出して、

そして……


「あッ、あああああッ!!!」


わたしは、目の前の一松くんを突き飛ばした。


そうだ。

わたしは、一松くんに殺されかけたんだ。


「こっ、来ないで!! 近寄らないで!!!」

一松「えっ……な、なに。どうしたの、さくら」


一松くんは、何故か、困惑の表情を浮かべる。


「しらばっくれないでよ!! さっき……あなたは、さっきわたしをその包丁で……!!!」


そこで、一松くんの右手に何も握られていないことに気がつく。


一松「包丁……?」


きょとんと首を傾げる一松くん。

わたしが何を言っているのかわからない、とでも言いたげな顔だ。


一松「さくら、ちょっと落ち着いて…」

「むっ、むりだよ! 落ち着くなんて……!!」

一松「ね、深呼吸して。ちゃんと僕の目を見て……」

「いやっ…いやああっ!!」


来ないで!

こっちに来ないで…

助けて…

だれか、助けて、


「かっ……カラ松くんっ……助けて」

一松「っ……」


カラ松。その名前を聞いたとたん、一松くんの顔が、かすかに歪んだ。


一松「…ねえ、さくら。僕、さくらになんかした?」

「どっ、どの口がそんなこと言って…!」

一松「ほんとに分かんないんだけど……」


一松くんの声に、少しだけ苛立ちの色が浮かんだ。




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