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【おそ松さんR18】君がため

第2章 再会【一松、おそ松+十四松】




「おやすみ、カラ松くん……」


わたしは、カラ松くんの背中にぽつりと呟いた。

理由のわからない涙が、こぼれ落ちた。



***


目覚めたときには、カラ松くんはいなかった。

辺りは明るくなっていて、窓から昼の日差しが差し込んでいた。

居間の壁にかけられたアナログ時計に目をやると、針はちょうど12のところで重なり合っていた。


「もうお昼なんだ……」


ずいぶん長いこと寝てしまった。

みんなはどこにいったんだろう?

一松くんとは顔を合わせたくないな。


わたしは、急いで身支度をして、誰かが帰ってくる前に、と荷物をまとめて帰ろうとした。

しかし、わたしが帰るべく居間のふすまを開けると、そこにはおそ松くんが立っていた。


「わっ……! びっくりした……」

おそ松「あれ?さくら、もう帰んの?」

「う、うん。お母さんたちも心配してるだろうし、そろそろ帰るよ」

おそ松「もっとゆっくりしていけばいいのに。ってか、体調だいじょぶ? 意識ぶっとぶほど体調悪かったんだろ?」

「それは……もう大丈夫だよ。迷惑かけてごめんね」

おそ松「迷惑なんて思ってないけどさ、やっぱり心配だよ。もうちょっと休んでいけよ」

「ううん、ほんとに大丈夫だから。ありがとね、お邪魔しました」


わたしは、おそ松くんの横をすり抜けて、居間を出ていこうとした。

……しかし、そのとき。

おそ松くんの手が、わたしの腕をつかみあげた。


「いたっ…」

おそ松「ざーんねん。このまま帰すわけねーじゃん」

「えっ……?」


おそ松くんを見ると、彼は、見たこともないような恐ろしい笑みを浮かべていた。


「……っ!」


思わずあとずさるわたしを見て、おそ松くんは、声をあげて笑う。


おそ松「ははっ、何びくついてんだよ。当たり前だろ?やっとまた会えたのに、離すわけねーじゃん」

「な、なに言ってるの、おそ松くん……」

おそ松「ずっと会いたかったんだよ、さくら♪」


おそ松くんは、わたしを引き寄せると、背中を壁に叩き付けた。

そして、壁に手をついて、わたしを閉じ込めると、にやりと笑った。

何をされるのかわからなくて、

怖くて、

涙があふれる。





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