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【おそ松さんR18】君がため

第2章 再会【一松、おそ松+十四松】




カラ松「ほ、ほら……寒いからな。抱き合ったほうがあったかいだろ?」

「ふふふ……そうだね」


あ……なんか、カラ松くん、いい香りがする。

その香りに包まれていたら、何故か、脳裏にさっきの一松くんの顔が浮かんだ。


『そうだよ。僕、あんたのこと好きなんだ』


一松くん……本当にわたしのことを……?

でも、あんなに大量の写真……冗談で持ってるはずがない。


カラ松「さくらは、好きな人……とかいないのか?」

「えっ!?」


突然思ってもいなかった話題をふられて、わたしは声をあげてしまった。


カラ松「ご、ごめん。でも、そんなに驚かなくても」

「あ……い、いないよ、好きな人」

カラ松「……! そうなのか!」


カラ松くんは、何故か、頬を赤らめて笑った。

その顔に、とくんと胸が高鳴った。

今はなんとも思っていないとは言えど、昔好きだった人だもの。やっぱり、何も感じないというわけにはいかないようだ。


カラ松「でも、意外だな。さくらは美人だし性格もいいから、男なんて選び放題だろ?」

「えっ、そんなことないよ」

カラ松「いや、高校のころだって、クラスでも部活でもモテモテだったじゃないか。俺のまわりにだって、さくらのこといいって言ってる奴けっこういだぞ」

「なにそれ、知らないよ。カラ松くんの勘違いじゃないの?」

カラ松「勘違いじゃない! それに、俺だって、さくらのことちょっといいなって思ってたし……あ!」


そう言って、カラ松くんは、はっと口を手で覆った。


……え? な、なに、今の?
どういうこと?


「カラ松くん、それってどういう……」

カラ松「ああああ〜! 今のは聞かなかったことにしてくれ! グッナイ!」


カラ松くんは、わたしに背を向けると、わざとらしい寝息をたて始めた。


ここで、もし、わたしが、

わたしも、高校のころ、カラ松くんが好きだったよ

って言ったら。何かが変わるんだろうか。


わたしは、カラ松くんの背中に伸ばしかけた手をひっこめた。


いや、そんなことするべきじゃない。

わたしたちは、変わってはいけない。



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