• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君がため

第18章 好きって言って【カラ松、一松】




***


???「……さくら……ねえ、さくら……」


遠くのほうで、わたしを呼ぶ声がする。


???「起きて……ねえ……さくら……」


声が、だんだん近づいてくる。

……なに、まだ眠いの。もう少し寝かせて。


???「おい、さくら……おねがい、起きてよ」


はっとして目を開けると、目の前に一松くんの顔があった。


「一松くん……? どうしたの、こんな夜中に」


寝ぼけ眼をこすりながら、身を起こす。

一松くんは、わたしの手をそっと握ると、いつになく甘えた声で、


一松「…なんか、腹減って眠れなくて。さくら、なんかつくって」


と言った。

一松くんがこんなことを言ってくるのは、初めてのことだ。


「どうしたの、珍しいね」

一松「いーでしょ、たまには。僕だって甘えたくなることくらいあるし…」

「ふふ、……いいよ、台所行こう?」


なんか、一松くん、かわいい。

子供みたいっていうか、弟みたいっていうか、……あ、もしかしてこれが母性本能ってやつなのかな?


わたしと一松くんは、手をつないで、階段をおりて台所にむかった。


なにつくろうかな……


冷蔵庫を開けて、ごそごそと食材をあさる。

たまご、たまねぎ、ピーマン、ウインナー……つくれそうなものは、ひとつしか思いつかなかった。


「つくって持っていくから、居間で待ってて?」

一松「…ううん、いい。見てる」

「あ……そう?」


見られてるとなんか落ち着かないなあ……

まあ、いっか。


とりあえず、冷蔵庫から出した食材をシンクの上に運ぶ。

そして、フライパンを火にかけて、油をひいた。


一松「なにつくるの」

「ふふ……なんだと思う?」

一松「わかんない……」

「じゃあ、完成してからのお楽しみね」


まな板と包丁を取り出して、玉ねぎをみじん切りにする。

……と、背後から、一松くんの腕に、ぎゅっと抱きしめられた。


「…っ、どうしたの、一松くん。玉ねぎ目にしみちゃうから、離れたほうがいいよ?」


わたしがそう忠告すると、一松くんは、わたしのうなじに鼻先をこすりつけて、ぽつり、


一松「……さくら、カラ松の匂いする」


と呟いた。




/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp