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【おそ松さんR18】君がため

第17章 こっち見て【十四松+トド松】




一松くんに連れられてやって来たのは、駅裏だった。

駅裏は、あまり栄えているとは言い難く、どちらかと言うと公園や住宅が多い。

こんなところで何をするんだろう……


「ねえ、一松くん……」


不安になって一松くんの手を引いたそのとき。

一松くんの足が止まった。


一松「……ここ」

「え?」

一松「だから、ここ。ついた」


顔をあげると、目の前にあったのは、小綺麗な建物。

この町で唯一の図書館だった。


「図書館……?」

一松「あんた、本とか読むの好きじゃん。高校のころも放課後よく教室で本読んでたし…」

「あ……うそ、覚えててくれたの?」


信じられない。

一松くんが、そんなことを覚えててくれたなんて。

確かに、わたしは、高校時代、放課後によく教室に残って読書をしていた。

今でも、本は大好き。


一松「晩飯の時間までには帰らないといけないけど……それまで結構時間あるし。好きなの読めば」

「一松くん……ありがとう。嬉しい」


本当に、心の底から嬉しかった。

こんな素敵なデートを考えてくれていたなんて。

ラブホテルに直行するんじゃないかなんて疑って、わたしは本当に馬鹿だ。


一松「…なんかまた泣きそうになってない?」

「だ、だって……」

一松「あーもう。泣かせようと思って連れてきたわけじゃないんだけど」

「ごめんなさい……」

一松「ほら、行くよ」


一松くんの手が、わたしの手を引いた。




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