第16章 写真【一松】
かと思うと、今度は、耳をぺろりと舐められた。
ひゃ……と思わず甲高い声が漏れる。
一松「だから、声」
「あ……ご、ごめん」
わたしは、あわてて声を押し殺す。
と、次の瞬間。
一松くんの手が、わたしのパジャマのズボンを引き下ろした。
「え…っ、ま、まさか、ここで挿れるの…?」
一松「なんで? だめなの?」
「だ、だめに決まってるじゃん…!」
さすがに、挿入されたら、声を我慢できる自信がない。
しかも、これだけ音をたてているのだから、そろそろ誰かが目を覚ましてもおかしくない。
「一松くん……お願い、せめて別な部屋で……っ」
わたしがそう懇願すると、一松くんは、はっ、とバカにしたように笑った。
一松「みんなが寝てる横でヤるからいいんじゃん。じゃなきゃわざわざこんな夜中に襲ったりしないし」
一松くんは、そりたった肉棒を取り出すと、それをわたしの蜜壷にぐりぐりと押し付けた。
「いっ…いやあっ……っやめて!」
一松「うるさいな…」
一松くんの手が、ふたたびわたしの口を塞ぐ。
「ン…ッ、んん!」
その瞬間、反対側の手で腰を掴まれて、一気に貫かれた。
「い、いひまふ…く、んっ」
一松「なに」
「手……いやだっ」
一松「……ふーん。その気になってきたんだ?」
わたしが言いたいことを、一松くんはすぐに汲み取ってくれたらしい。
手を口から離し、代わりに唇で塞がれた。
お互いの唇をむさぼり合う。
一松「…っ、動かすから」
開始される律動。
さすがの一松くんも、激しくしたりはしなかった。
他の兄弟が起きないように、ゆっくり、ゆっくり、音をなるべくたてないように動かす。
しかし、そのときだった。
突然、何かが発光して、布団の中が明るくなった。
「……えっ?」
驚いて目をひらくと、目の前の一松くんが、スマホを構えていた。
光は、そのスマホが放ったフラッシュだったのだ。
「え……ちょ、な、なにして……」
一松「さくらがあまりにも可愛いから、写真に残しとこうと思って」
「えっ……! な、なにそれ…! やめて、消して!」
一松「あ、動画のほうが良かった?」
「ち、ちが…! お願い、やめて……!」
手を伸ばして、一松くんの手からスマホを奪い取ろうとする。