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【おそ松さんR18】君がため

第13章 君を好きになった理由




それからも、僕が夕方家に帰ると、大抵さくらちゃんがいた。

どうやら、部活帰りにうちに遊びにくるのが日課になっているようだ。


カラ松兄さんがさくらちゃんと仲良くなったことで、他の兄さんたちも、自然とさくらと仲良くなっていた。


そんなある日のこと。

いつものように、家に帰ると、居間にはさくらちゃんしかいなかった。


「あ、トド松くん。おかえり」

トド松「ただいま……って、なんでさくらちゃん一人でうちにいるの? 兄さんたちは?」


ちょこんと座ってテレビを見ていたさくらちゃんに問う。


「カラ松くんと一緒に帰ってきたんだけど、カラ松くん、何か用事ができたとかでどこか行っちゃったんだよね……。すぐ戻るって言ってたけど」

トド松「ふうん、そっか」


さくらちゃんを家に連れてきておいて、留守番させるなんて。

カラ松兄さん、よっぽど大事な用事なんだろうな……。


トド松「他の兄さんたちはまだ帰ってきてないの?」

「うん。今日は一緒じゃなかったから……」

トド松「そうなんだ」


やばい……なんか、緊張する。


でも、さくらちゃんを居間に一人残すのは、なんだか気が引ける。

僕は、さくらちゃんの隣に腰をおろした。

すると。


「ねえ、トド松くん」

トド松「は、はい?」


突然話しかけられて、思わず声が裏返った。


「あはは、どうしたの。そんなにびっくりした?」

トド松「い、いや、びっくりしたっていうのもあるけど……さくらちゃんとふたりきりなのって初めてだから、緊張してるっていうか」


……って、僕、なに言ってるの!?


こんな発言、僕らしくない。

というか、今の僕、チョロ松兄さん並みに童貞丸出しじゃない?

なんで。僕は、それなりに女の子と遊んだりしているから慣れてるはずなのに。


「あ…そ、そうなの? 実は、わたしも。ちょっと緊張してる」

トド松「……え?」


眉を下げて笑うさくらちゃんに、目を見張る。


「だって、トド松くん、学校に来ないしさ。こうやって学校の外でしか会えないでしょ? だから、トド松くんとふたりきりって、なんか不思議な感じがする」



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