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【おそ松さんR18】君がため

第13章 君を好きになった理由




その女の子に、僕は見覚えがあった。

確か……同じクラスのさくらちゃんだ。

地味でも派手でもない、でもとても愛嬌があって可愛らしい女の子。


と、そのとき。
不意に、おそ松兄さんの目がこちらを向いた。


おそ松「……あれ。トド松じゃん」

トド松「うぐっ」


やばい。覗き見してることバレた!


おそ松「おまえそんなとこで何してんだよ? 早くこっち来いよー」


バレてしまったものは仕方ない。

僕は、扉を開けて、居間の中に足を踏み入れた。


チョロ松「おかえり……って、ほんとはもっと言いたいことはたくさんあるんだけどさ」

トド松「うるさいな……チョロ松兄さんが言いたいことなんて、わかってるし」


いつものように反抗的な態度をとってから、

ふと、さくらちゃんが目の前にいることを思い出す。


トド松「……てか、この子、なに?なんで僕らの家にいるの?」

「ごめんね、トド松くん。お邪魔してます」


さくらちゃんは、困ったように眉を垂れて笑い、ぺこりと頭を下げた。


「わたし、梅野さくら。同じクラスなんだけど……覚えてないかな?」

トド松「……覚えてるよ。そっちこそ、僕のこと知らないと思ってた」

「なに言ってるの、トド松くん。知らないわけないじゃん」


さくらちゃんは、そう言って、にこりと笑った。

その笑顔があまりにも眩しくて、胸がとくんと高鳴った。


トド松「で、どうしてさくらちゃんがここに?」

「あ…えっとね。わたし、カラ松くんと同じ演劇部なんだけど……最近、家がご近所さんだってこと知ったんだ。それで、近所なら一度遊びに来いって誘われて……それがたまたま今日だったの」

トド松「ああ……そうなんだ」


じゃあ、つまり、カラ松兄さんに連れて来られたってわけか。

カラ松兄さんのほうを見ると、兄さんは気まずそうに僕から目をそらした。

そりゃそうか。最後に会ったとき喧嘩しちゃったんだもんね……




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