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【おそ松さんR18】君がため

第13章 君を好きになった理由




「い、言えないよ、そんなの……」

松代「あらっ! そういう反応をするってことは、6人の中に気になる人がいるのね! 誰かしら〜。母さん、わくわくしちゃう」

おそ松「ハイハイ。さくらも困ってるから、そのへんにしときなよ、母さん」


俺は、母さんを台所に押し戻して、みんなに「俺、制服着替えてくるから」とだけ告げて二階に向かった。


二階の部屋には、電気が灯っていた。

そして、そこには、唯一居間にいなかった兄弟があぐらをかいて座っていた。


おそ松「一松、ただいまー」


俺に扉に背を向けるようにして座っていた一松の肩が、びくっとはねた。

一松は、首だけひねって俺を振り向き、相変わらずの無表情で、「おかえり、兄さん」と言った。


おそ松「なーにしてんの。またアレ?」

一松「……うん。おそ松兄さんも、見る?」

おそ松「うん、見して見してー」


一松は、俺に向かって10枚ほどの写真の束を差し出した。

それを受け取り、床によいしょと腰をおろす。


おそ松「どれどれ〜……うおっ、いいね。可愛く撮れてんじゃん」

一松「でしょ」


写真にうつっているのは、ぜんぶ、さくらだ。


昼休みに教室で友達と談笑しているさくら。

授業中、先生にあてられて黒板の前でチョークをにぎっているさくら。

下校中、カラ松の隣を歩くさくらの背中……


おそ松「しっかし、さくらもかわいそーだよねえ。今も、自分がこんなことされてるって知らずに、下でメシ食ってるんだぜ?」

一松「それがまた興奮するんだけどね」

おそ松「おまえも大概だよなあ。学校では成績優秀な真面目キャラなのに。どこで道ふみはずしちゃったんだか」

一松「わりと最初からこんなだよ、僕」

おそ松「えー、そうだったの? お兄ちゃん、一松は昔からずっと真面目ないい子だと思ってたよー」


写真をかき集めて、一松に返す。

一松は、それを箪笥の自分の引出しにしまった。


一松「じゃ、僕、下に戻るから」

おそ松「あいよ。俺も着替えてすぐ行くから」


一松と俺は、よく似ている。

一松は、さくらのことが好きなのに、こんな形でしか欲求を解消できない。

そして、俺も……




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