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【おそ松さんR18】君がため

第13章 君を好きになった理由




居間に行くと、既に夕飯ができていて、みんなでテーブルを囲んでいた。

まだ料理に箸はつけてないみたいだけど。


トド松「あ、おそ松兄さん。おかえりー」

チョロ松「やっと帰ってきた……。ったくどこほっつき歩いてたんだか」

おそ松「わりーわりー。ちょっと野暮用があってさ」


俺が適当に濁して答えると、みんなは、ふうん、と興味なさそうに呟いた。

と、そのとき、台所から母さんが顔をのぞかせた。


松代「あら、おそ松。帰ってきたのね。おかえりなさい」

おそ松「ただいま、母さん」

松代「今日はさくらちゃんが来てくれたのよ〜。母さん、嬉しいわ♪」

「いつもお邪魔しちゃってすみません……」


へこりと頭を下げるさくらに、母さんは、慌てたように首を振った。


松代「なにを謝っているの、さくらちゃん。私、本当に嬉しいのよ。うちの6つ子たちが、さくらちゃんみたいな可愛い女の子を連れてくるようになって。まるで娘ができたみたい」

おそ松「母さん、ずっと娘がほしいって言ってたもんな」

松代「そうそう。それに、さくらちゃん、ほんっとうにいい子だし。このまま、6人の誰かと結婚して本当の娘になってほしいくらいよ」

「えっ!? けけけけ、け、結婚!?」


さくらは、びくっと身体を震わせて、動揺の声をあげる。

いくらなんでも動揺しすぎだ。……そんなところも可愛いけど。


松代「ぶっちゃけて、うちの息子たちの中にさくらちゃんのタイプはいないのかしら?」

「そ、それは……っ」


さくらは、胸の前で手をにぎって、うつむいた。


さくらがカラ松のことを好きなのは、誰の目にもあきらかで。

たぶん、俺以外の兄弟も気がついていると思う。


カラ松「さくらの好きな人、か。それは俺も知りたいものだな」


……当の本人をのぞいて。



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