第12章 つぶやき【おそ松】
「んんッ…」
噛み付くようにキスをされた。
おそ松くんは、キスが上手い。
わたしが初めてだなんて本人は言っていたけど……そんなの信じられないくらい、上手なのだ。
「あン…や……ふあ」
脳みそがとろとろに蕩けてしまいそうな、
思わず意識を手放してしまいそうな、
熱くて激しいキス。
おそ松「さくら、やばい……すげー可愛い」
耳元で吐息まじりにささやかれて、心臓がどきりと音をたてた。
いつもとはちがう、柔らかいベッドの感触と、ラブホテルの仄暗い灯りが、ますます熱をかきたてた。
おそ松「あ、ちょっと興奮してきた? 息、あがってる」
「う……だっておそ松くんが変なこと言うから…っ」
おそ松「だってほんとに可愛いんだもん」
わたしの服のボタンをひとつずつ外しながら、おそ松くんは、熱のこもった目で笑った。
なんか……
今日のおそ松くん、いつもとちょっとちがう。