• テキストサイズ

【HQ】No Border

第2章 繊月 -今に繋がる過去-


駅前を過ぎると、すぐに窓の外の風景が緑に変わる。
といっても、この時間ではただの黒なんだけれど。


黒の中に、ところどころ光があって、そこで人々が生活していることを主張する。


田舎だなぁ。


見慣れた黒の景色をぼんやりと見る。そこにはガラスに反射した自分の顔があった。


そう言えば、さっきの人に「疲れているみたいだし」って言われたっけ。
私そこまでクマ酷いのかな。
それとも、表情ににじみ出るくらいの顔してたのかな。

そっと自分の頬に手を当てる。



「……疲れた……」



そう小さく呟いた次の瞬間に意識は暗闇に落ちていて「お客さん、着いたよ」とドライバーに声を掛けられるまで深く眠ってしまっていた。



.
/ 54ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp