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【HQ】No Border
第2章 繊月 -今に繋がる過去-
久しぶりに、夢を見た。
高校時代の、夢。
独特の雰囲気を漂わせる、懐かしい体育館。
厳しい練習に汗を流すみんなの姿。
ボール拾いと声出しに全身の力を使う私。
体育館の熱気と高い窓から漏れる日差しに目が眩んで、よろける体。
トスン、と誰かに自分の肩が当たる。
「すみませんっ」
慌てて謝るけれど、相手は背中を向けていた。
『疲れてるみたいだし、休んだら』
いささか面倒くさそうに言ったその人の顔は、
太陽の逆光で、見えないままだった---…。
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