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【赤髪の白雪姫】きみの瞳に恋をする

第7章 双子のパラドックス※



瀬那は荒い呼吸のまま仰向いていた。

絹のように白い肌にしっとりと汗が滲んで、長い俺と同じブロンド色の髪が乱れてシーツの上にまるで花の模様を描いているようだ。

先ほどまで大きな質量が埋めていた秘所からそれを抜き取ると、中から透明な液と白濁の液がまじりあったものがとろりと流れ出てきた。
瀬那が目を覚ました時に不快に思わないくらいには、その液を拭き取ってやった。

そして呼吸をするために薄く開いた唇に、彼女を想う気持ちを込めて、触れるだけのキスを落とした。


一向に起きない瀬那をベッドに寝かせたままシャワーを浴びて部屋に戻れば、目を覚ました瀬那が、布団に潜ったままこちらをにらんでいた。

『…イザナ…私、ちゃんと自分の部屋に帰る…。』

少しだけ顔を覗かせて抗議の声を上げる。

現状の扱いに納得できない様子だが、その主張を聞くつもりは、ない。

まだ紅潮が肌に残り、その瞳は少し潤んでいる。
瀬那は俺を睨んでいるつもりかもしれないが、ふつふつと心の底から得も言われぬ感覚が沸いてくる。

情事の後ではあるが、身体に熱がこもってくる。

(…無自覚とは厄介なやつだ)

はぁ、とため息が出た。

「此処だってお前の寝室のようなものじゃないか。」

『それはイザナの代わりのときだけじゃない。』

「そんな怪我して、しばらくろくに力も入らないだろ。怪我が落ち着くまでこの部屋で休め。」

『…あんなに激しくしておいて都合のいい…。』

口を尖らせて小声で文句を言ってから布団を頭まで被った。

「…もっとしてほしければ、また今夜な。」

そういって布団の上からぽんぽんと頭を撫でれば、ふるふると横に首を振っているのがわかる。

こうなっては暫くご機嫌斜めのままだろう。

落ち着いたらちゃんと汗を流しておくように言って、倦怠感の残る身体を理性で起こして、隣室の書斎へと仕事に戻った。


衛兵には部屋から瀬那が勝手に逃げ出さないようにと見張りを任せ、侍女には瀬那の衣服や身の回りのものの準備をするように伝えた。

――――俺も、瀬那にはつくづく甘いな。
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