第8章 花咲く蒲公英とクロウタドリ
休憩時間から少し遅れて薬室に戻ると、案の定白雪さんが僕の帰りを待っていた。
瀬那さんは、
といえば、走ろうとしているところを八房さんに見つかって、抱えられて薬室へ運ばれていった。
その後、どうなったのか、僕は知らない。
なぜ八房さんが僕らのいた場所にいたかというと、
どうやら、八房さんは、定時の薬室訪問予定時間を過ぎても、顔を見せない瀬那さんを心配したガラク先生から、
「ひっつかまえてこい。」
という命を受けていたらしい。
じゃあ、またな。
薬室に着く前に、
オビさんはひらりと手をふって、
しれっとどこかへいってしまった。
目の前にはたくさんの薬草。
さっき摘んできた、いや、さっき瀬那さんとクロウタドリから取り返してきたたんぽぽも、此処に在る。
「じゃあ、片付けをはじめようか」
白雪さんの元気な返事が薬室の中にひびいた。