第7章 双子のパラドックス※
イザナの触れるところが熱くて、そこから生まれる刺激が体を駆け巡れば、自分のものとは思えないような声が漏れた。
『…ぁ…あぁっ…っあぁぁ…っ!』
その指先の愛撫によって、身体の中心をイザナの指にこじ開けられる感覚が次の快感を引き起こし、快楽の波が押し寄せてきていた。
直接肌と肌が触れるのが気持ちよくて、こんな風に恋人同士で本気で愛されたらきっと幸せなんだろうな。と思った。
イザナは私にとっても大切な人だ。
けれど、どんなに想っても、どんなに愛しても、この国の主となるイザナと本当に結ばれることはない。
別に妃になりたいわけじゃない。
どんなに身体を重ねても、全てを捧げても、私はそばに仕えて彼を支えるだけだ。
それでいい。
それだけでいい。
そう遠くない未来に、きっと、
イザナは素敵な妃を迎えて、国民の羨む素敵な家庭を築くのだ。
そうしたら、この恋い焦がれる気持ちを持て余してしまっているのを、いったいどうしたらいいのだろう。
いっそ、このまま死んでしまいたい。
―――なんて浅ましいんだろう。
体中を刺激が駆け巡る中で、そんなことを思っていれば、イザナが目を細めてこちらを見ていた。
「瀬那、他の事考えてる。いけない子だね。」
(あぁ、また怒らせた…。)
そういうと、膣の中へと挿入する指の本数が増やされ、ばらばらに動かされ、こちらの都合とは関係なく中心が解されていく。
『…ぁ…は…ぁっ…ダメ…。』
「ここはこんなに蕩けて、なかは俺の指に吸い付いて離れてほしくないみたいなのに?」
次々に中心から広がる刺激で息が上がって呼吸が浅くなる。
次第に思考が回らなくなり、部屋にぐちゅぐちゅとした水音が響いた。
「どんどん溢れてくるよ。きもち、いい?」
もう、まともに話せる状態ではなくて、はぁはぁと息をするのがやっとだった。
おかげで肩の傷も疼くが、それ以上に、体が熱くて、痛みまで快感を増長するような感覚で満たされていた。
寄り添っていたイザナが離れ、ひんやりとした外気に肌が包まれた瞬間、花芯の突起をぱくりと咥えられ、弄られれば一気に目の前が真っ白になった。
『あっっ…あぁぁぁぁぁっ!』
部屋に鼓動の音が響いているんじゃないかと思うくらい、どきどきと耳元で音が聞こえ、膣内がひくひくと痙攣しているのが自分でも分かった。