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【赤髪の白雪姫】きみの瞳に恋をする

第7章 双子のパラドックス※


もうすこし恥じらうとか可愛い反応を期待したのに。と苦笑しながら、

「…まぁ、瀬那らしいか。…で、黒い?」

にやりと意地悪な笑みを浮かべてイザナが問う。

『ううん。白い。…けど、そういう意味じゃないでしょ?』

「まぁ、そうだけど。…っ!ちょっと、瀬那!!』

思わず、目の前の薄く見える腹筋に指を這わせたら、驚いてイザナの身体がぴくっと反応した。

『きれいだったから、つい。』

そういって顔を見れば、余裕ぶったいつもの表情が消え失せていて、顔を真っ赤にしてこちらを見ている。目じりには若干涙が浮かんでいて、

『ふふっ。イザナ、可愛い。』

笑ってしまった。
こんな風に取り乱すイザナなんて見たことがなくて、とても新鮮だ。

「…瀬那も見せて。今の瀬那を知りたい。」

あの時はあまり深く考えていなかったんだと思う…。

服のボタンを外して、

『…いいよ。』

と言って、あとはイザナに任せた。
留め具の外れたシャツの合わせは簡単に広げられ、するっと方から覆いとしての意味をなさない布切れにへと変わって、ひらりと床へと落ちた。

広がらない肩幅に筋肉のつかない身体。
代わりに、胸には脂肪がつきはじめて、ささやかだがふっくらと双丘を作り始めていた。

「…瀬那は女の子なんだから、そう簡単に服なんて脱いだらだめだよ。」

イザナが脱げといったから脱いだのに、不条理な叱られ方をした。私の身体を抱き寄せると、肌が触れてる部分からイザナの体温が伝わってきた。


こんな身体では腕の長さや瞬発力、そもそもの力が絶対的に足りなくて、今まで簡単に負かしていた兵士たちとも互角か、敗北を喫することが増えていた。
しかも右肩には不釣り合いな刀傷の跡があり、女として生きるにも欠陥品だろう。

『…イザナみたいな体がほしい…。』

心の声が漏れてしまった。

「瀬那は女だ。無理に男になろうとしなくていい。」

『…イザナ。』

「俺は、瀬那がほしい。もっと教えてよ。」

熱が籠ったロイヤルブルーの瞳に見つめられて、そのまま互いの身体の違いを探りあいながら、初めての感覚を全身で味わったのだった。
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