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【赤髪の白雪姫】きみの瞳に恋をする

第7章 双子のパラドックス※


私の怪我を見つめるロイヤルブルーは、まるで哀しみながら怒っているような色をしていて、胸の奥が締め付けられるようだった。

『イザナ、心配かけてごめんなさい。』

月並みの謝罪しか出てこなかった。
左腕を伸ばし、そのすこしひんやりとした頬に手を添えた。


―――イザナを真似て、似せて、双子と言われるようになったころに、家族への、兄への親愛とは違うような、もっと熱くて苦しくて気持ちが芽生えていた。
それが一体何を意味しているのかを自分でも気付いていなかった。

時間の流れは残酷で、イザナと私は、双子の兄弟と言われるほどになった頃を境に、私はイザナとは似ても似つかないような身体にどんどん変化していった。
イザナの身代わりとして城に仕えたのに、私はその役に立たなくなっていくことが辛かった。

このまま城から追い出されるのではないか…?

そんな考えが頭をよぎるようになったころ、イザナの部屋に呼び出された。

『失礼します。兄様。』

「瀬那には、もう俺の身代わりの仕事は頼まないよ。兄弟ごっこは終わりにしよう。」

その言葉を聞いたとき、まるで心臓が握りつぶされるような衝撃を受けた。わかってはいたが、本当にもうそばにはいられなくなるかと思うと、全身の血の気が引くようだった。

「そんな、今にも死にそうな顔をするな。」

笑いながらイザナが歩み寄ってきて、頭に手を乗せて、ぽんぽんと叩いた。

「瀬那には俺たちの側近の仕事を任せることになったのを伝えたかっただけだ。兄様と呼ぶのもなし。今日からは俺を名前で呼べ。」

唖然として何も言えない私を見かねて、瞼にキスを落とした。

「もしかして、城から追い出されるとでも思った?」

すべてを見通したかのようにこちらの表情を面白そうに見つめて、口を孤の字にしている。悪戯っ子のような顔だった。

『……兄様、いじわる。』

目を細めてこちらを見ていたので、

『イザナ、腹黒い。』

と口を膨らませて暴言を吐いたら、

「じゃあ、確かめてみる?」

と服を脱ぎ始めた。イザナの上半身は、白くてきれいなまるで女の人の肌のようにきれいだけれど、肩幅がしっかりしていて、細いけれど筋肉がちゃんとついていて引き締まっていた。

男の人の体を初めて目の当たりにした。

『私と全然違う…。』

最初に出てきたのはそんな言葉だった。
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