第1章 「謎の子供」
あれから1年後、846年。
ミクリヤは今年訓練生となる。
ミクリヤはエルヴィンから新しい戦闘服を貰った。
『ありがとう、エルヴィン』
エル「よく似合っているよ。それと…今まで言い出せなかったんだが、最初ミクリヤの性別が分からなくてな。1年前に髪を伸ばすって言った時ようやく分かったよ」
『仕方ないよ。あの時は髪短かったし。男の子みたいだったでしょ?』
へへっ、と笑みをこぼすミクリヤ。
エル「…ミクリヤはもう私の妹みたいな存在だ。何かあったらすぐに言うんだぞ」
『私もエルヴィンはお兄さんみたいな存在だよ』
エル「気をつけて」
『うん。私は必ず首席の座を獲って、調査兵団に入ってみせる』
エル「ああ…楽しみにしている」
あの時短かった髪も、今はお団子に縛り、
すっかり女の子らしくなった。
エル「(美人になったな…ミクリヤ)」
エルヴィンは私が調査兵団に入ることを望んではいないだろう。だけど私は、巨人と戦う。そう決めたんだ。
あの夢を信じて。
『私は…戦う!』
第103期生、
訓練兵団ミクリヤ・メフメット。
これから3年間、訓練生として訓練に励む。
兵站行進
馬術
格闘術
兵法講義
技巧術
立体機動
全てにおいて完璧にこなした。
上官からは100年に1人の逸材として
大いに讃えられた。