第6章 「正体」
『ここは私の世界ではない。母はもういない』
ミクリヤは満月を見上げながら言い続ける。
『私、前に'女神'って言われたことがあって…嬉しかった。すごく嬉しかった。こんな死神を女神と言ってくれて……』
リ「………」
『'人類の希望'なんて、とんでもない……。私は'人類の敵'なのに』
リ「おい……」
『エルヴィン、私を助けてくれてありがとう』
『エレン、ミカサ、アルミン…私と友達になってくれてありがとう』
『リヴァイ……』
リ「やめろ…」
『あの日誓った約束、覚えてる?』
リ「言うな…」
ミクリヤは止めず言い続けた。
『私を人類の敵であったら殺す…と』
ーーー!!!
周りの人達は驚いた。
ミクリヤはリヴァイにそう誓っていたのだ。
『結果、私は敵だった…』
リ「……」
『今、約束を果たす時……』
武器を持っていない無防備なミクリヤ。
今なら殺せる。
殺せる…のに、何故体が動かない……。
『リヴァイ、私を殺して』
ミクリヤは、死を選んだ。