第6章 「正体」
『気が付いたら知らない草原にいた……』
リ「………」
『そしたら巨人が現れて…』
私は死神のカマを使って巨人を殺した。
首を狙って…何度も何度も。
殺した後に力尽きて、気を失った……。
そこに調度エルヴィンが通りかかって
私を助けてくれた。
『私は自ら記憶を消したのよ…』
母と別れたショックで
こんな辛い思いするのならいっそ
記憶を消してしまえばいいと…。
『でも再び、思い出してしまった…』
リ「つまりお前は…完全な死神ではないのか」
『そう…父が人間だったから』
リ「バレたのか?死神ではないことを」
『いや…バレる前に母が逃がしてくれたから多分大丈夫だと思うけど…母はきっと死んだよ…』
リ「なぜ15歳で逃がした?」
もう少し経ってからでもよかったのでは、
とリヴァイは疑問に思った。
『死神は15歳になるとね、首筋に紋章が出るのよ。でもこの通り、私には紋章が無い。すぐにバレるわ』
ミクリヤの首筋は何も無かった。
リ「そうか……」
エレンやミカサ、アルミンなどの
他の人達はミクリヤに何も言えなかった。
ミクリヤにこんな悲しい過去があったなんて、誰が予想しただろう。
エル「……また、人間の魂を狩るのか?」
エルヴィンがミクリヤに問いかけた。
そこが一番の問題だった。
『昔は…狩っていたよ。人間の魂…』
ーーーゾクリ
エル「……!」
リ「っ……」
エルヴィンとリヴァイは寒気がした。
『でも、もう……いい』
リ「!」
『父が人間と分かった以上は何も出来ない。それにここは、一応5年間過ごした世界よ…誰も狩れないわ…』
ーーーカラン……
ミクリヤはブレスレットを外し、
足元に落とした。
『私の居場所は…無くなった』