第5章 「甦る記憶」
次の日。
今日はあいにく雨だった。
『夕方には止むかな…』
リ「止むさ」
リヴァイはいつの間にか私の部屋のドアを開け、そう言った。
今の聞いていたんかい。
『そう?なら良いんだけど』
リ「ミクリヤ」
『ん?』
リ「夜になったら散歩にでも行くか」
『……え』
リ「どうせ暇なんだろ」
『まぁ…暇かな』
リ「ふん、俺は仕事に戻る」
『じゃーねー』
それだけ言いに来たのかなリヴァイは。
…そういえば、私リヴァイにキスされたっけ。
あれから特にそうゆうの無いな。
意外と奥手なのね。
『…色々と、ね』
ーーーーー
ーーー
ー
夜。
リヴァイの言う通り、雨は止んだ。
『すごい。本当に止んだわ』
リ「俺の勘は良く当たる」
『へぇ…』
今私はリヴァイと街を歩いている。
結構夜の時間は経っていて、人通りが少ない。
満月がくっきりと見えて綺麗だ。
『静かだねー』
リ「そうだな…一般人はウルサくて敵わん」
『リヴァイってさ、前は地下街のゴロツキだったんでしょ?』
リ「…誰から聞いた」
『エルヴィンから聞いたのよ』
リ「(エルヴィン…あの野郎…)」
『聞いたときは納得した』
リ「……(ギロッ)」
『ほら、その目つき。ゴロツキって言われても仕方ないわね』
話し込んでいたら、
周りには私とリヴァイしか居なくなっていた。
シン…と静まりかえる。
リ「ミクリヤ」
『……なに?』
リ「お前………口調が変わっているぞ」
『………』
リヴァイに言われ、私は黙り込む。
知ってたよ、そんなことは…。
リヴァイ…あなたが最初に気付いた事も…。
『リヴァイ…もう、いいよ』
リ「!」
私は、リヴァイから一歩遠ざかった。