第5章 「甦る記憶」
壁からだいぶ遠く離れた巨大樹の森。
中列は森の路地に入り、
私達左右の陣形はその周りを回り込む。
コ「あっ…あのミクリヤ副兵長…」
『ん?』
コニーが問いかけてきた。
コ「陣形ってどうなっているんですか?」
ミ「コニー、陣形はもう無い」
『そう。私達左右の陣形は森に阻まれてその周りを回るしかない。索敵能力が失われたから』
コ「………!」
私にも何故この森に入ったのか
理解出来なかった。
コ「何で進路を変えてこの森を避けなかったんだ?エルヴィン団長は地図読み間違えちゃったのか?なぁ、ミカサ」
ミ「…分からない。右翼側の脅威を避けようとするあまり、ここまで追いこまれてしまったのかも…しれない」
『………』
ーーーーー
ーーー
ー
私達は巨大樹の枝の上に飛び移った。
指揮官に森に入ってくる巨人を食い止めろ、と命令されたからだ。
森の中で何かしているのだろうか?
エリ「巨人、来ましたね」
『私達がここから動かなければ、巨人も森の奥には行かない…』
エリ「つまり、交戦する必要は無い…と」
『うん……』
下には、巨人がたくさん…。
木を登ろうとしている巨人もいる。
学習能力があるって、怖いね。