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巨人と戦う世界で。

第4章 「気付かぬ想い」




記憶を失ってから早5年。



私は窓の外を見た。
そういや、ここに来たばかりの頃もこうして窓の外を見ていたっけ…。




『あ…今日は三日月だ』




私は毎晩月を見ている。
なんでだろう…見なくてもいいのに、
見てしまう。

星もキラキラしていて…綺麗。



『屋上行こうかな』




私は外で見たいと思い、部屋を出た。





























IN、屋上。


『…夜風は涼しいね』


サァーっと夜風が吹き抜ける。

それが気持ちいい。




『!』




微かに足音が聞こえた。

誰かが屋上にやってくる。








ーーーガチャ









エ「あ…?」





エレンだった。







『どうしたの、こんな時間に』

エ「いや…眠れなくて」

『なんで?』

エ「明日から旧調査兵団本部に行くんですけど、なんだか緊張して……」

『…そっか。私はただ月と星見に来ただけ』

エ「そうなんですか」






私は、今日リヴァイに言われたことを
エレンに話し始めた。






『…私ね、リヴァイに…もし私が人類の敵であったら、殺すって言われた』

エ「えっ」

『まだ記憶は戻らないけど』

エ「そんな…メフメット副兵長…」

『あ、てか私のことはミクリヤでいいよ。なんか堅苦しいし』

エ「…ミクリヤさん…」

『うん』

エ「…俺は、死んでほしくないです…。あなたは人類の希望ですから…」





人類の希望、か。

前には'女神'と言ってくれる人もいたな…。







『そう言われて私は幸せだよ。でも、私は…みんなの敵でいるくらいなら死んだ方がマシ…』

エ「……っ!」






敵として生きたら、心が引き裂かれそうだ。






エ「死んだ方がマシなんて言わないでくださいよ!!」



エレン……?



エ「俺はっ…ミクリヤさんが敵でも構わない!」

『エレンっ…でも、私はあなたやミカサ達を襲うかもしれないんだよ!?』

エ「そしたら俺が止める!」

『どうして…そこまで私の死を否定する…』













エ「俺は…俺はっ…!



ミクリヤさんが好きだから!!



死なせたくないんだッ!!」







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