第3章 「戦い」
『リヴァイ……』
俺をそう呼ぶ声が聞こえて、ガキ共の方を見るとそこには、血まみれのミクリヤがいた。
リ「ミクリヤ…こんな所で何をしている」
お前の腕の中にいる男は誰だ……。
何故そんな大事そうに抱えている?
『エレンを、助けていた……』
リ「エレン?そいつのことか?」
『そうだけど…』
リ「…チッ、巨人がまだ来る。お前らは壁を登れ。後は俺達が片付ける」
いつの間にか上から他の調査兵団が下りて来ていた。エルヴィンに指示されたのだろう。
『ミカサ、アルミン…エレンをお願い』
ミ「え…!?」
ア「メフメット副兵長はっ…!?」
『私は…この街を護る。だから戦う』
ア「怪我しているのにっ…」
『大丈夫。私は簡単に死なないから』
ミ「…アルミン、行こう」
ア「う、うん…どうかご無事でっ…」
ミクリヤ、お前……。
体がボロボロなのに、まだ戦うのか。
リ「大丈夫なのか」
『平気』
リ「そうか…」
その小さい体から一体どこから
そんな体力が出てくるんだ。
ーーーズバッ!!ヒュヒュヒュッ…
相変わらずスピードは落ちない。
巨人に隙を見せず、
気付かれる前にうなじを削いでいる。
『ハァッ…!!』
ーーードシュッ!!ヒュンッ…
リ「おい…ミクリヤ」
『ん?』
リ「今日何体討伐したんだ?」
『さぁ…数えてなかったな。20体以上?』
女にしては尋常じゃねえ数だな。
リ「もう少しだ…頑張れ」
『はいよ…』
その後、急遽駆けつけた
調査兵団と駐屯兵団工兵部の活躍により
ウォールローゼは再び巨人の侵入を阻んだ。
人類が初めて巨人の侵攻を阻止した快挙であったが、それに換気するには失った人々の数があまりにも多すぎた。