第3章 「戦い」
直ちに作戦を実行する。
多くの兵士は後衛部の方へ向かい、私達は少人数の兵士を引き連れ穴のある前衛部へと向かった。巨人は大勢いる方を狙う習性がある為、後衛部に向かった兵士達はオトリである。
少しでも、巨人の数を減らす。
ーーーズバッ!!ズバッ!!
私はとにかく周りにいる巨人を削いだ。
エレンに近付かせない為に。
『…あれ?』
まだエレンは岩を運ばないの?
もう持ち上げてもいい頃なのに。
私は岩のある方へ向かった。
すると、巨人化したエレンが岩に寄りかかってグッタリしていた。
蒸気を発していて…何をしているの?
ア「起きてくれよエレン!?ここにいるんだろう!?エレン!?」
アルミンが…問いかけている…。
巨人化したエレンのうなじに刃を刺して。
どうやらエレンが起きないようだ。
ア「エレン…答えてくれ」
右から1体、エレンとアルミンに近付いてくるのが見えた。
エレンは…アルミンに任せよう。
『近付かせない…殺す』
ーーーヒュヒュヒュッ…ズバッ!!
ーーードォンッ…
巨人のうなじから血しぶきが上がる。
『アルミン!!』
ア「!…メフメット副兵長!」
『そのままエレンに問い続けて!きっと起きてくれる!!』
そう言って私はまた来る巨人と戦う。
ア「は、はいっ…(早く起こさないと!)」
アルミンはまた問い続けた。
こうしている間にも、人の命は奪われていくから。少しでも早く……!
ア「…どうしてエレンは」
アルミンはもうこれしかないと思った。
エレンに問う。
ア「外の世界に行きたいと思ったの?」