第3章 「戦い」
もう駄目だ……
僕なんかが耐えられる訳がない……
こんな地獄では……
イヤ…違う…
今まで勘違いをしていただけだ
元からこの世界は
地獄だ
強い者が弱い者を食らう
親切なくらい分かりやすい世界……
『アルミンッ!』
後ろから誰かが僕の跡を追ってきた。
ア「ミクリヤ副兵長……あッ」
アルミンは飛ばしたワイヤーが上手く刺さらず、そのまま壁にぶつかり下に落ちた。
『アルミンッ!!大丈夫!?』
ア「うぅ……」
なんでここにミクリヤ副兵長が…。
『!…アルミン、ここにいて。エリオ、周辺見張ってて』
エリ「ハッ」
するとミクリヤ副兵長はどこかへ向かった。そこには、蘇生法を繰り返すハンナの姿があった。
あれは……フランツ?
『…何をしている』
ハ「フランツが…フランツが息をしていないんですっ…!助けて!」
『……』
ミクリヤ副兵長はただ見つめていた。
その光景は痛々しくて…
『やめるんだ。もう…死んでいる…』
フランツは、腹から下全てが無かった。
生きられるハズがない…。
ハ「フーッ、フーッ!ハァッハァッ!」
ア「もう…やめてくれ…」
これ以上はもう…無理だ。
これ以上は……。
『あなたを連れていく』
ミクリヤ副兵長は、ハンナを担いだ。
ハンナは泣き叫ぶ。
ハ「離して!!フランツ、フランツ!!」
『エリオ!アルミン!屋根の上に行く!』
エリ「了解!ほら、立て!」
ア「は、はい……」
ハ「嫌ァァア!!フランツーーッ!!」