第3章 「戦い」
超大型巨人が出現してから5年。
3分の1の領土と2割の人口を失ってようやく、人類は尊厳を取り戻しつつある。
今日は、実践経験の豊富な調査兵団は壁外調査に出払っていてリヴァイやエルヴィンはいないが、ミクリヤは居た。
ミクリヤは実力者だが、今は副兵士長であり人々を護る義務がある為、万が一に備えて残ったのだ。
『書類多すぎだろ~』
仕事も残っていた。
副兵士長になったのはいいものの、なんだこの書類の山は。やってもやっても終わらない。
『…エルヴィンとリヴァイ大丈夫かな』
書類を片付けながら2人を心配していた。
その時だった。
ーーードォオオオオッッ……!!
『!?』
遠方で、何かが破壊された音が聞こえた。
急いで窓を開き見てみると、壁の方からなにやら蒸気のようなものがモクモクと上がっている。
まさか…………
ーーーガチャッ!
「失礼しますミクリヤ副兵長!ウォールローゼの壁がっ…超大型巨人によって破壊されましたッ!!!」
『なっ…!』
私の班員の1人が報告にやって来た。
やはり……あの音は破壊音だったか!
『作戦を実行する!立体起動装置を装備して現場に向かうぞ!』
「ハッ!」
2人の心配してる場合じゃなかった。
ウォールローゼを死守せねばならない…!