第2章 「調査兵団」
リ「ふん…そう身構えるな」
リヴァイ兵士長と分かった途端、私はとっさに身構えてしまった。
『………』
リ「すまなかった…」
!
リヴァイ兵士長が謝った。
驚きのあまり私は言葉が出なかった。
リ「もう何も言わねぇから安心しろ」
『は、はぁ……』
リ「早く思い出せよ…記憶」
リヴァイ兵士長って
目付き悪いし口も悪いけど、実は……
優しい人なんだ…。
リ「…帰るぞ」
プイッ、と背を向けられてしまった。
私もそろそろ帰らないとな。
リヴァイ兵士長はさっさと歩き出してしまったので、私はその隣まで走って行った。
リヴァイ兵士長は背低いけど、
私はさらに低い。
まあ私は女だから問題は無いけど。
リ「…今失礼な事考えなかったか」
『いいえ何も』
やべ、上から睨まれた。怖っ。
言ったらきっとうなじ削がれる。
リ「…ミクリヤ」
『はい?』
名前で呼ばれた。変な感じ。
リ「もし…記憶を思い出して、ここが本当の居場所ではなかったら、どうするんだ?」
ここが、本当の居場所ではなかったら。
考えた事がなかった…。
確かに私はあの壁の外側からやって来て、どこに向かおうとしていたのか分からない。
『そしたら…私は調査兵団を辞めて本来在るべき場所に帰ります』
そう、答えた。