第2章 「調査兵団」
エ「調査兵団の!?何!?」
ミ「あ、あの人行っちゃうよ」
ア「ええ!待って!」
アルミンがその人の後を追いかけた。
ア「あ、あのっ!」
女の人は気付いたのかゆっくり振り向く。
『ん?』
エ・ア「「Σ!!」」
ミ「………」
振り向いた女の人は、あまりにも美人で、
男共は固まってしまった。
吸い込まれそうな蒼色の瞳。
ア「あの、すみません…この間の新聞見て、えっと…確か、調査兵団の…?」
緊張で上手く話せないアルミン。
エレンは顔が真っ赤。
『ああ、私新聞載ってたんだー』
どうやら自分が新聞に載っていたことは知らなかったらしい。
『私はミクリヤ・メフメットだよ』
ア「ああ!思い出した!」
エ「うわ、ビックリした!」
名前を聞いた途端、アルミンが何かを思い出したようだ。
ア「メフメットさん!第103期生で、今年調査兵団に入団……100年に1人の逸材と言われている人だよ!兵士500人分の戦力があるらしい…!」
エ「す、すげぇ…!」
ミ「……!」
『それは言い過ぎだよー』
照れくさそうに笑う彼女も美人だ。
ア「僕達の1つ上の先輩になる」
『君達訓練生?』
エ「はい!俺はエレン・イェーガー!調査兵団を希望しています!」
ミ「ミカサ・アッカーマンです」
ア「アルミン・アルレルトです!」
『エレン、ミカサ、アルミン!名前と顔覚えたよ。そうか、訓練生か…じゃあ来年になったら一緒に戦えるね』
メフメットさんは遠回しに、私は死なないと、来年も私は生きている、と言っている。
さすがだ…と3人は思った。
『また会おう』
そう言うと、メフメットさんは人混みに消えていった。
ア「名前覚えられちゃったよ!」
エ「ゾクゾクしたぜ。なんかあの人のオーラっつーの?他の兵士とは違う感じがしたっ!なあミカサっ!」
ミ「………」
ア「…ミカサ?」
ミカサは、メフメットさんが去って行った方角をずっと見続けていた。
エ「おい、どうした?」
ミ「……少し、お母さんに似てた…」
ア「そうなの?」
エ「う~ん、分からん」
ミカサは目尻が熱くなるのを感じた。