第2章 「調査兵団」
ピ「ところで…記憶は戻りそうかね?」
『いいえ。欠片も思い出せません…』
記憶は一向に思い出せない。
戦えば…思い出すかなと思ったのだが…。
そうか、とピクシス司令は答えた。
『たまに…』
再び口を開くと、ピクシス司令は顔を上げた。
『自分は何者なんだろう、って考えるようになって、私…みんなよりなんか…違うし…』
ピ「何が違うんだ?」
『身体能力…。何故、私はあんなに早く動くことが出来るんだろう…。巨人と戦う時、凄く身体が軽いんだ…』
ピ「ふむ…」
『そのおかげで、巨人には捕まることは無いし…いいんだけど…』
ピクシス司令官は前に聞いていた。
ミクリヤは異常に身体能力が高いと。
上の方では'東洋人'、あるいはまた違う'人種'なのでは、という意見も出ている。
『自分のことを考えるだけで、怖くなる』
ミクリヤの顔が徐々に青ざめる。
ピクシス司令官はヤバいと思い、話題を変えた。
ピ「街にでも出たらどうだ?」
『…街?』
ピ「金は貰っているんだろう?なら気分転換に街へ出るのも良い」
『そう、だね。ちょっと街行ってくる』
ミクリヤは考えた。
街か……。
まだ1、2回程度しか街に出たことないから、街で買い物などして気分転換しよう。
金なら余るほどあるんだ。