第2章 「調査兵団」
調査兵団に入団してから半年。
私の同期…103期生は最初は弱音を吐いていたものの、みんな考え方が変わったのか調査兵団に志願する者が多かった。
『嬉しかった…なぁ…』
この世界は残酷だ。
何度…目の前で、仲間の死を見たか。
『私って…なんなんだ…』
なんとなく気付いていた。
私は、人並み外れた力を持っていることを。
この半年で何度か壁外調査をしたが、
巨人と戦っているとき
自分の身が軽く感じて動きやすかったし
足が異常に速かった。
それだけじゃない。
普通の人間は完全に飛び越えられない高い塀を、私は簡単に飛び越えられたのだ。
……身体能力が良すぎだ。
『ああ…ダメだ。考えるのはよそう……』
ーーーコンコンッ
突然、誰かが私の部屋をノックした。
今日は休みなのに…誰だろう。
エルヴィン?
『はい、どうぞ』
「失礼するぞ、ミクリヤ」
入ってきたのは、ピクシス司令官だった。
『ピクシス司令…』
ピ「今日は休みか」
『ええ』
ピ「相変わらずの美女だな。恋人はいないのか?」
『お世辞はいいです。恋人なんていません』
ピ「本当のことなんだがのう…残念だ」
ハッハッ、と笑うピクシス司令官。
会う度に美女だのお世辞を言う。
私はピクシス司令官と仲が良く、エルヴィン団長と同様、私はこの2人にしか信頼していない。