第1章 黒尾夢
『マジか・・・初めてだったらそりゃ力抜けねぇよな。・・今から動くけど、辛かったら言えよ。やめるから。』
「え、でもそれじゃあクロが・・」
『俺だけ気持ちよくなっても意味ねぇの。優しくはするけど、手加減できる余裕ねぇかもしんねぇから。お前は無理すんな。辛かったら、しがみついてろ。』
そう言って、口内に舌を入れてきた。
腰は秘部へと打ち付けられ、愛液と混ざりあってぐちゅぐちゅと音を出す。
今までに感じたことの無い感覚が体を満たしていく。
「んっ・・あぁ・・・はぁ・・・」
我慢できなくて吐息が漏れる。
『イイねぇ、加菜の余裕の無いその声。興奮する』
そう言って、いきなり親指と人差し指で乳首をくりくりと愛撫される。
秘部の快感に気を取られていたのに、不意打ちで2ヶ所を責められて、我慢できずに声が漏れる。
「ああっ!」
自分の声に恥ずかしくなって口を塞ぐと
『我慢すんな』
そう言って、舌で歯列をなぞられる。
口内は舌でなぞられ、乳首は両手でコリコリといじられ、秘部は腰を打ち付けられて、身体の奥がどんどん熱くなってくるのを感じる。
よくわからないけど、気持ちいい。
快楽なのか生理的な反射なのかわからない感覚で体が満たされ、耐えきれなくてぶるっと震えた。
それを見た黒尾が
『加菜、気持ちいいんだろ?震えてる』
敢えて恥ずかしがることを言って、私の反応を楽しんでる。
『じゃあ、そろそろ本気で行くぜ』
いつものふざけた言い方から一変、真顔になる。
バレーやってる時の顔と同じ顔。
しっとりと汗ばんだ身体。
見とれていると、打ち付けて来る腰のスピードが急に速くなった。
「やぁっ・・クロ・・」
それ以上言葉が出ない。
今までに感じていた気持ちよさとは格段に違う。
身体が全部持っていかれそうな感覚。
表情が歪む。
恥ずかしくて腕で顔を覆うと
『コラ、何やってんだよ』
「だって・・恥ずかし」
『それじゃあ感じてる顔が見えねぇっつーの』
そう言って、腕を顔から退けて、指を絡ませて恋人繋ぎをしたまま、シーツに縫い留められた。
感じてる姿を、クロに見られてる。
凄く恥ずかしい。
でも気持ちが良くて、どんどん快楽が押し寄せて来る。