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ハイキュー!!夢小説

第1章 黒尾夢


そう頭の中で考えたら、目頭が熱くなってきた。
鼻の奥がつーんとするのがわかる。

泣いちゃダメ。ここで泣いたらダメ。
そう思っても、黒尾の声が聞こえてきて
反射的に悲しみが溢れて、気持ちがぐしゃぐしゃになる。


『・・・・って、おい!』

目を逸らして話していた黒尾が、頬杖をやめて顔を上げた。


俯いて、今にも泣きそうな私。
そんな私を見て、膝立ちになって近付いてくる。

「っ・・・来ないで!・・・大丈夫!大丈夫だから・・・」
そう制止しても、無視して近づいてくる。


どうしていいかわからなくなって目を瞑ったら、頭をポンポンと撫でられる感触。

『・・・目の前で彼女が泣いてんのに、ほったらかしなんか出来ねぇだろ・・・』

頭をよしよしと撫でる感触に、今度は安心して余計に涙が溢れて来る。

そっと後頭部に手を添えられ、クロの大きな胸に頭を預けるように抱きしめられる。
私の泣き顔が見えないように。

態度はいつも意地悪だけど、こういう所の気遣いが、クロらしいなって。
言葉では言わないけど、本当は優しい。


そんな事を考えていたら、どんどん気持ちが溢れて来て。

やっぱりクロが好き。

クロが本気じゃなくても、私はクロが好きって気持ちだけは伝えたい。
もうどうなってもいい。
私はクロが好き。


一呼吸ついて、口を開いた。

「・・クロ・・・あのね・・・」

ん?と、私の頭に顎を乗せて、話を聞いてくれる体制になる。

「・・私、クロの事が好き・・・・大好き・・・・今まで言えなくてゴメンね・・・」



部屋には自分のすすり泣く声だけが響いていた。
沈黙が部屋を包む。

居たたまれなくなった私は、やっぱり言わなければよかったという後悔と、今からどうしようという焦りで、無意識に体に力が入る。


「ごめん、クロっ・・」
そう言って、抱きしめられていた腕をほどく。

するとそこには、
『やっと言ったな』
と、いつものニヤニヤ顔でこちらを見下ろしていた。


『お前さ、なかなか本音言わねぇからさ、さすがにちょっと心配した』

そう言って、いきなり顔が近づいてきて、唇を奪われる。

「んんっ・・」

いきなりの事でビックリした私は、無意識に逃げようと後ろに下がる。
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