• テキストサイズ

ハイキュー!!夢小説

第5章 菅原夢


放課後、悶々とした気持ちは続いていた。

それを知る由もないバレー部3人は、いつも通り
『じゃあな、気を付けて帰れよ』
そう告げて、体育館へ向かっていった。


“気を付けて帰れ”
この言葉は、3人の誰かが必ず言ってくれる。

大地、菅原、旭
同じ言葉を言っても、それぞれの雰囲気で、言葉の含む意味もちょっとだけ変わるような気がした


大地だと
『気を付けて帰れよ』で、“しっかり前見て歩くんだぞ”で

菅原だと
『気を付けて帰れよ』で、“女の子なんだから、襲われないように”で

旭だと
『気を付けて帰れよ』で、“事故とかあわないようにな”で



必ず言ってくれる言葉

私達の中での暗黙の了解的なその言葉は、何だか心地が良かった。



でも、その日はちょっと違って

菅原の事で、あの一件が引っかかって、まっすぐ家に帰りたくなかった。
家に帰ると、必然的に自分の気持ちと向き合わなければならないからだ。


“帰りたくないなぁ・・・”


そうひとりごちて、明日の予習を学校で済ませて帰ることにした。


家に帰ると、嫌でも考えてしまう
だったら、このままここで、やるべきことをやってしまおう


我ながら、適切な判断だ




しばらくして、教室に残っていたクラスメイトも1人ずつ帰っていき、最終的には私1人になった。

どれ位の時間がたっただろう


予習が一段落してふと窓の外を見ると、辺りはすっかり暗くなっていた。

「んー・・・っはぁ・・」

めいっぱい背伸びをして、そのまま机に突っ伏す。


リラックスした体を少し休めて、手早く帰り支度をしていると、教室のドアがガラガラと開いた。

顔を上げると、そこには菅原が立っていた。

『鈴木、まだ残ってたのか?』
「うん、予習やって帰ろうと思ったら、あっという間に暗くなっちゃって」
片づける手は止めないまま、会話する。

『女の子なんだから、こんな暗い中危ないだろ~。送って行くから』
「え、いいよ。部活は?」
『今日はもう終わり。あんまやりすぎるのも良くないからな』
そういって、片付け終わるのを待っている。


一緒に帰れるのは嬉しいけど、昼間のこともあるし
正直、今は1人でゆっくり考えたかった
/ 53ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp